Fate/ms.s

   第9話『光と闇と狂気』      by風来坊さん








視点・士郎

グアアアアアアアアン!

「クッ……セイバー!」

「シロウ、隠れていてくれ!」

爆音を響かせながら光の束が地を焼く。

「っ……!」

セイバーは盾を構えつつ横に回避する。

回避した直後セイバーの居た場所は本当の意味で消し飛んでいた。

「な……っ!?」

それを放った物の姿を確認する、

「嘘だろ……」

何か四角くかなり大きく黒い物体が移動してくる。

「サーヴァントか?!」

「恐らは!っく、シロウ!絶対にオレの後ろにくるなよ!」

直線攻撃が多い上、威力が馬鹿なっと言うくらいでかい!

多分セイバーでも一撃で戦闘不能は確実だ!

「クッ……」

竹刀を入れる筒を抱えながら足と視力を強化して回避する!

「セイバー無理するなよ!」

「了解だ、シロウ!」

なぜこういう事態になったかは家を出るときまでさかのぼる。



〜回想〜

トントン……

「は〜い」

「遠坂、話があるんだが」

「何?士郎」

「セイバーが今夜見回りをしたいらしいんだ」

「へ?」

「いや、セイバーが町の様子を見に行きたいらしんだ」

「ん〜……そうね。折角だからちょっと見てきてもらいますか」

「え?そんな簡単でいいのか?」

「私だってこの土地の管理者よ?

  なのに今まで留守だったしそれに後手後手ばっかり踏んでてもしかたないわ。

  それに士郎だって少しはがんばってるみたいだし、仮に止めても多分セイバーが退かないだろうし」

「そうか」

一応認めては貰ってるみたいだな

「でも、万が一を考えておきなさい、士郎あれも持っていくことをお勧めするわ」

「あれか?確かにサーヴァントに出くわして何も出来ないじゃ意味ないからな」

「私と桜はまだ家を離れることが出来ないけど少しでも情報がほしい時期だしね。

  でも自分がまだまだ未熟すぎるって事は理解しておきなさい。

  一応ライダーにも付いていってもらおうかしら?」

「いや遠坂、ライダーは空飛べるから襲われたら駆けつけるで良いと思う」

「そうね……家の守りが手薄になるのも馬鹿らしいわね、じゃそうしましょう」

ライダーが飛べる……まさにあれは目を見張った。

ライダーのスキルで変形ってあったから聞いてみたら、

『ああ、俺は可変して戦闘機になれるんだ』

と聞いたときにはまさか!っと思ったら、

『あっ、今嘘だと思っただろ?見てろよ!』

ガシャンガシャンっと頭の上で背中の飾りと思っていた部分が横に広がり、

盾の部分が頭について、足が人間にはありえない方向に曲がっていく。

正直あれは驚いた……遠坂と桜も絶句していたし……

「あれはちょっと凄かったわね……」

「ああ……」

「どう言う構造してるのかしら?」

遠坂、考えてることが分かるのか?なんか前にも同じ様なことが……まあいいか。

「じゃ行って来るよ、留守番頼む」

「いってらっしゃ〜い」

セイバーと門を出る。

「さて、何処から見回るかな」

「シロウ、それについて提案がある。あの山の方に行ってみたい」

「そうか、だけど気を付けろよあそこは危険だから」

以前キャスターの根城であった上、あそこには未だサーヴァント避けの結界がある。

「だからだ。ライダーが空からでも侵入は難しいらしいからな、見ておきたいと思ったのだ」

柳洞寺に向かい歩いていく。

「セイバー」

「何だ、シロウ」

「セイバーって私って言うよりオレって言うほうが地なんだろ?

  だから俺と話すときでもオレでいいからさ」

「む……だがシロウはマスターだ。

  私の世界では上官と同じことだ、少しの敬語も必要だと思ったのだが?」

「いや、気遣いは嬉しいが何か他人行儀で落ち着かないから砕けた態度でいいと思う」

それに最初から結構砕けてたと思うのは俺だけ?

「ならお言葉に甘えさせてもらうか」

話をするうちに階段の手前まで来る

「ふむ……鬼門となる結界は林の場所らしいな」

「ああ、この正門なら結界の影響は無い」

階段を上って行くうちに山門が見えてきた。

「前回はここにアサシンが陣取ってたな」

「ほう……」

興味深そうに山門を調べるセイバー。

「確かに、この土地には大容量の魔力の残りがみられる」

当りを見回すセイバー。

「だが何故だ……ここにはサーヴァントの反応がない」

「む……そう言えば不思議だな」

魔力の残りとサーヴァント避けの鬼門、しかも正門を封じとけば鉄壁の城と化す。

にもかかわらず此処にはサーヴァント特有の気配が無い。

「だけどセイバー、ここには大人数のお坊さん達が居るから陣取りも難しいんじゃないか?」

「ほう、確かに一般人がそんなに居てはオレ達は動きがとれないな」

なにせ今回のサーヴァントは、人間ですらないから紛れる事なんて出来やしないのだ。

「以前のキャスターは確か葛木先生の婚約者って事で入り込んでたよな」

「……」

まあ、建前だけじゃなく傍目から見ても間違いなく婚約者そのものだったが。

「ふむ……とりあえず此処に見る物はもうないな」

「そうか、なら今日は帰るか」

階段を下り、帰路に付いた時。

前触れも無くそれは襲い掛かってきた。



〜現在〜

「グッ……」

セイバーの横を光が横切る。

盾で防いでるみたいだが盾ももう見えない穴でボロボロになってるに違いない。

「今だ!」

盾を黒いサーヴァントに向け丸い弾頭を発射!

着弾と同時に刀の柄みたいな物を手に持ち切りかかる!

「何!」

セイバーの柄から光が出され剣の形を形成するが何かに阻まれてそれ以上攻撃が出来ない!

「っ……I・フィールドか!」

弾頭は当たったがセイバーの剣は届かなかった、直後。

「セイバー!避けろよ!」

空から声が聞こえた、咄嗟にセイバーは回避を行う。

ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ

空からの攻撃が地面と黒いサーヴァントを飲み込む。

「どうだ!万が一考えて実弾換装してよかったぜ、何せビーム兵器が主力だからな俺は」

何時も持っていたライフルとは違い二挺のマシンガンを持つライダー。

「すまんライダー助かった」

「まだ礼は早いぜ、やっこさんまだ元気みたいだし」

あれだけの弾丸を受けていてまだ黒いサーヴァントは活動を停止していなかった。

それどころか。

「嘘だろ……」

驚愕した。

黒いサーヴァントはそのまま高度を下げつつ人型に変形してきたのだ。

「やはりサイコガンダム?!」

「空から見たときにはまさかとは思ったが!」

ライダーの可変でも驚いていたのに、さらにはあんなに大きい奴まで……

「セイバー、ライダー、知ってるのか!?」

「オレはデータだけだが!ック!!」

「俺は何度かこいつの同系機とやりあったことがあってね!来るぞ!」

サイコガンダムと呼ばれたサーヴァントは指の先端をこちらに向けてビームを立て続けに放ってきた!

「喰らえ!」

ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ

ライダーがマシンガンを放ちながら回避をし、

「これなら!」

セイバーが反対方向に回避をしながら盾からの弾頭を2発、発射する!

俺は何をすればいい?

このままではセイバー達があのサーヴァントに押し切られてしまう、

まだ切り札を使うときではないがせめてセイバー達の援護位は!

「同調(トレース)───開始(オン)!」

弓を投影し矢は無銘のロングソードを構え間接めがけて放つ!

ドカ!

続けて二発目!

ドカ!

よし!効いてるかは分からないが当たるし弾かれても無い!

「シロウ!?」

「やるじゃねえかエミヤ!」

ここぞとばかりに集中砲火を浴びせるライダー

ガガガガガガガガガガガガガキリリリリ……

「チッ!玉切れかよ!」

舌打ちをし弾装を変えるライダー、その隙をサーヴァントが見過ごすわけが無い!

「くそったれ!」

危機一髪で回避をするライダー

「ちくしょう!一個落としちまった!」

それでも片方は装填できたようで攻撃を再開する!

「シロウ!オレに何か武器をくれ!」

「セイバー!?」

「オレの武装では奴に有効なダメージを与える武装は無い!」

回避運動を取りつつも叫ぶセイバー、その時、

ウィイイイイイン

っと低い音を鳴らして黒いサーヴァントは変形し撤退を始めた。

「っ……!逃がしてたまるか!」

追撃しようとするライダー。

「待てライダー!いくらライダーでもこれ以上の戦闘は危険だ!」

「そうだライダー!マシンガンでは決め手に欠けすぎている!戻るんだ!」

「クソ……」

悔しそうに撤退していくサーヴァントをみやるライダー。

「あのサーヴァントは危険だ……ってライダー!」

ジリジリっと魔力の火花がライダーの腕から出ている。

「そんな傷負っていて追撃しようとしてたのか?」

「こんなのかすり傷だ、だが少しドジしちまったってトコかな」

へへ……っと自嘲気味に笑うライダー。

「ライダー、今日はもう休むんだ。無理は良くない」

「だがな……」

「桜にも負担があるんだぞ?」

「うっ……」

少し卑怯かも知れないが俺たちを助けてくれたライダーに無理はさせたくない。

「そうだな、今日は急いで撤退するか。ライダー、歩けるか?」

「へん、馬鹿にするな変形もまだ出来るんだぜ?」

しかし歩いて帰るところを見るとやはり無理しているようにも見て取れる。

さて、帰ったら遠坂に報告しなきゃな……




続く






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