《前回のあらすじ》

ギルは士郎にカラオケボックスでビールを飲まされた。

するとギルはFate本編後半のギルガメッシュへと変わり、

マイクを持つと英雄王ジャイアンへと変身した。

それはまさにライダーの魔物変化にせまるほどのものだった。

そのとき士郎は第一形態(ギルガメッシュ)にビール瓶で殴られ、

頭に負傷を負った。



「先輩、この前怪我したばかりなのにまたですか?」

衛宮邸、自室にて。

士郎は桜に頭の包帯を替えてもらっていた。

「いったいどうしてこんな怪我を……?」

桜の問いかけに士郎は少し逡巡し、

「……ジャイアンにビール瓶で殴られたんだ」

と答える。

「………」

なんと返答していいか判らずに黙り込む桜。

「先輩、この前はあかいあくまにやられて今回はジャイアンだなんて……

  いくら私だからってからかうのもほどほどに……あれ?ジャイアン……」

ちょっぴり影が見えつつある桜だったが、不意に黙って何かを考え込む。

「ジャイアンにやられた……」

『私の出番まだ!?』といわんばかりにあわててひっこむ影。

「そう言えば、昨日から寝込んでいる姉さんもそんな事を」

「……やっぱりなぁ」

凛は英雄王のリサイタルによりいまだ寝込んでいた。

「た、助けて……ドラえもん……」



































冬木4

   『とっても!!オッパイの味方』

by楓野




「ギル、待たせたな」

士郎が自室からギルのいる居間へ行くとそこでは、

「だから我は真剣に貴様のことを愛して」

ギルはイリヤをナンパしていた。

後頭部にでっかい汗を流してそれを目撃する士郎。

「またか……」

顎に手を当てて苦渋に満ちた表情を浮かべる。

「イリヤ。こいつは一見服を着てるT.M.Revolutionみたいだけど、

  ただの犯罪者だから近づいちゃだめだぞ」

なんかえらいことをイリヤに吹き込む士郎。

ある意味、犯罪者というのは当たっている。

「貴様雑種誰が犯罪者だ!誰が服を着てるT.M.Revolutionだ!!」

背後で叫ぶギルを無視し、どこかに歩いてゆくイリヤに手を振る士郎。

そしてイリヤが見えなくなるとギルに振り返り、

「わかったわかった」

と、どうでもいい感じで答えた。

そして、

「だからあそこのすみ〜〜っこの方で『WHITE BREATH』でも熱唱しててくれ。半裸で

と言いつつ、部屋の隅の方を指差す。

「ふざけるな雑種〜〜!!」

ぶんぶん腕を振り回すギル。

しかし、士郎が頭を押さえている為にまったく届かない。

足りないリーチは、干将・莫邪でカバーだ。

「そういえば、遠坂が離れで寝込んでるって」

「む?なぜ寝込んでおるのだ?」

記憶がないのか自覚がないのか、本気で疑問符を頭に浮かべるギル。

(お前の歌のせいだよ)

と士郎は思ったが、声には出さなかった。

「見舞いに行ったほうがいいだろ?(お前のせいだし)」

後半は声に出さず、心の中だけでつぶやく。

「どこまでも手のかかる娘だ」

鷹揚に頷いたギルとともに、士郎は離れへと向かうのだった。



カチャ……

「なんだ、寝てるのか遠坂」

ドアを開けた士郎が見たのは、ベッドで寝ている凛であった。

「相変わらず無礼な雑種の娘だ。この王が見舞いに来たというのに」

とかいいながら、ギルの目はイリヤが持ってきた見舞いの果物に釘付けである。

「起こしても悪いし、戻るか」

「一通り食してから帰るとしよう」

『一通り』の『ひ』と共にリンゴをナイフで剥き始めるギル。



シャク。シャク。

リンゴをかじる音が途切れ途切れに部屋に響く。

「そういえばさ」

一つ目のリンゴを食い終わり、二つ目を向き始めた頃、士郎が口を開く。

「脱衣麻雀をやってた時に気づいたんだけど」

ごろん、と凛が寝返りをうつ。

「遠坂、乳育ってきてるよな」

士郎は『育ちつつある乳』が大好きだった。

シャク。

ギルがリンゴをかじりつつ寝ている凛を見る。

「……揉んでおくか?」

「オスッ」

短い受け応えの後二人同時に立ち上がり、



ズン



と凛を見下ろす。

「ハッ!?」

パチッ、と凛が目を覚ました―――。



台所。

「〜♪〜〜♪〜♪〜〜♪〜〜♪」

鼻歌を歌いながら、桜が夕食の準備をしている。

と、そこへ。

「キャ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」

「姉さんの悲鳴!?」

凛の悲鳴を耳にした桜は、離れに向かって猛スタートを切った。



「姉さん!?」

息せき切って離れの一室に飛び込む桜。

「あれ?」

そこで目にしたのは、布団を被る凛(実は士郎)の姿。

桜からは死角になる位置では、ギルが凛の口を塞ぎつつ果物ナイフを突きつけていた。

「姉さん、どうしたんですか?」

「にゃんでもないの。ちょっと夢でうなされて」

投影にも勝る勢いの声帯模写を駆使して答える士郎。

「あ、そうなんですか……そうだ、ついでに体温計りましょうか」



(ギクッ!!)



布団の中で思いっきり動揺する士郎。

ギルが凛の首筋にナイフを突きつける。

凛は冷や汗を流しつつ体温計をギルに渡し、ギルから士郎へと手渡された。

士郎が体温を測る間、ギルは何の気なしに何故かナース服に着替えている桜に目をやる。

(……む?)

あることに気づいて、ギルは小声で士郎に声をかける。

「雑種、あの陰雑種も乳が育っておるぞ」

「なに!?ギルの見切りスキルはどうなっている?」

「以前と比べ3cmアップの88、ちなみに赤雑種1センチアップの78」

「そのスキルのランクは?」

「無論EXだ」

なにかムダなスキルを身に着けていたらしいギル。

「3cmUPの88……」

布団に埋もれながら噛み締めるように呟く士郎。

88は士郎にとって未知の領域だった。

「もっとも、あの蛇と同じサイズになっただけだがな」

「……ギル、お前は3cmUPの偉大さがわかっていない。

  3cmUPといえばもうそれは宝石魔術を使うのと同じ手間なんだぞ」

「宝石魔術は関係あるのか?」



バストの1cmUPとは魔術師の言う魔力量100UPと等しいといわれている。

(衛宮士郎ロンドン在住時代論文『1cmの未来』より)



つまり桜は魔力量が300UPしたのに対し、凛は同じ年月で100しかUPしていないのだ。


『せんぱ〜い』

バインバイン。

『せんぱ〜い』

バインバイン。

バインバイン。


バインバイン。






(見たいよ〜揉みたいよ〜吸い付きたいよ〜)

脳内で涙を流しつつ悶絶する士郎。

(しかしここで俺が桜を見たら、俺が遠坂でないことがバレてしまう!)

現実世界でも涙を流す士郎。

「ぐおっ!ぐっ!ぐわっ!!ガッ!!」

「姉さん、どうしたんですか……?」

布団を被ったままバタバタと暴れる士郎。

そして、それを心配そうに見つめるナース服(着替え完了済み)の桜。

「ね、姉さん……」

「ぐぐ……ぐおおお……」

布団の中にくるまり、唸り続ける士郎。

そして。


「よしっ!!」


(こらえたぞ、俺は桜の巨乳を見る事をこらえる事ができたぞ)

涙ながらに感動する士郎。

(同志よお前達ならわかるだろ……俺の達成したこの偉業を)

背景(?)に、アーチャーとアヴェンジャーのサムズアップした映像が映し出される。

「姉さん、体温計を」

桜の声に現実へと帰還し、士郎は体温計を渡す。

それを見た桜が、

「え、ええ!?こんなに熱があるんですか!?」



ぽよん。



「ちょっと大変じゃないですか」

(お、おっぱいが顔に当たっとります!!)



〜〜天国の親父へ〜〜

海はなんで青いんだろう……

カレンの父親ってやっぱりあいつなんだろうか

バゼット・フラガ・マクレミッツは結局どこで働いているのだろう

固有結界が継承できるってホントだろうか?


士郎はもう巨乳攻撃に耐えられそうにありません

そちらに行ったら宜しくお願いします『衛宮士郎』

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



「姉さん、どうしてこんなに熱があるんですか?」

「それはね、お前が近くにいるからだよ」

「どうしてそんなに声が低いんですか?」

「それはね、若本規夫の魅惑の低音だからだよ」

「それにどうしてこんなに体がごついんですか?先輩

URYYYとばかりに目がどんよりと光る士郎。

「それはね……」







































「お前を食べるためだよ!!」







































「……あれ?」

一気に叫んで布団を跳ね飛ばした士郎だったが、

桜に飛び掛ることはできなかった。

なぜなら、部屋はすでに桜の影によって飲み込まれつつあったのだ―――!

「な、なんでさ!?なんでこんな状態になってるんだ!?」

「クスクス……先輩、まさかバレていないとでも思っていたんですか?」

読者の皆さんは気づいただろうか。

士郎が跳ね起きる前、桜が確かに『先輩』と言っていた事に。

「姉さんはもう助け出しましたから。

  じっくりとおしおきしてあげますね、先輩?」

まさにくすくすとわらってごーごー状態。

「ギ、ギル!!」

最後の頼みとばかりに、士郎はベッドの陰にいたはずのギルを見る。

が。

「…………(チーン)」

とっくの昔に影に飲み込まれ、もう指先しか見えないギルの姿。

「さあ、先輩。まずは軽いジャブからいってみましょうか―――」

桜がゆっくりと士郎に歩み寄る。

そして、その手が士郎の首を掴んだ瞬間、







































「うわぁぁあぁぁぁぁああぁぁぁあ!!!!」







































この世のものとは思えぬ絶叫が衛宮邸に響き渡ったのであった。






おっぱい星人は巨乳を見ると狼に変わる。

しかし。

黒化した桜の前では、そんなもん何にもならないのであった……。



合掌。






終。




あとがき



スッゲー楽。

前回と違って簡単でした。

その分、なんかパワーダウンしてる気もしますが。

今回から、タイトルに『冬木○』とつけることにしました。


30000ヒット用のSSです。
次回のふぁて張は、40000ヒット時に更新します。
叶親役のヤツが登場です。





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