《前回のあらすじ》

こんにちわ、セイバーです。

シンジはシロウの発言が元で初恋の人・リンにチン毛がワカメだったことを知られてしまいます。

それが元でシンジは校区外の遠い中学校へと転校してしまうのです。

シロウ、お腹がすきました。

新都に遊びに出たシンジは偶然シロウに遭遇し、復讐戦が始まってしまったのでした。

む、これはなかなか……もぐもぐ



































冬木6

   『さらばギル!!』

by楓野




「衛宮……覚悟は出来ているんだろうな」

ここは穂群原学園・剣道場。

そこに立ち、口を開いたのは間桐長男・慎二。

しかし。






「しばし待て」






ギルが水を差した。

「あらすじに出てくる貴様が好きだったリンと言うのは赤雑種のことか?」

「決まってるじゃないか」

フフン、と鼻を鳴らす慎二。

「アイツは可愛いからな、お前みたいなヤツでも知ってるのか」

「知っているもなにもな、雑種」

「うーん……」

なんか気の抜けた表情をする士郎とギル。

「?」

そして怪訝そうな表情の慎二。

































「あの赤雑種、雑種の女でしかも半分ほど同居しておるではないか」

































汗と鼻水が一気に流れ出る慎二。

「え、衛宮君……」

慎二が壁に手を着いてぷるぷると震えながら声を出す。

「なんだ?」

「付き合ってるの?」

「まあ」

「どうして?」

「……成り行き?」

結構酷いことを言う士郎。

凛に聞かれたら死は避けられまい。

で、慎二はと言うと。

































「ああああああああああ!!!!!」

































錯乱した。



「死ね!!」



ドグシャア!!!



そして叫びながら殴る。

「ちきしょう、ちきしょう」

「なぜ我を殴る?」

そう、慎二が絶叫と共に拳を叩き付けたのはギルの顔面であった。

結構思いっきり殴ったのに鼻血だけで済んでいるギル。

(防御力だけは)強い。

「雑種、ちなみにあの赤雑種は女としてはどうだ」

「映画とか見に行ったら顔赤くしながらも自分から手を握ってくる積極的な子だな」

「嘘だ〜!!遠坂は恥ずかしがりやで純粋でケーキ作りが趣味のかわいい女の子だ〜!!」

頭を抱えて絶叫する慎二。

「……なにやらものすごい幻想を抱いていたようだな」

「ああ」

慎二の叫びを聞いていた士郎とギルが引いた。

しかしそこは正義の味方の士郎君、ぐっと堪えて正座した慎二の背中に話しかける。

「おい慎二落ち込むな、お前だって遠くの中学で色々いいおもいをしただろ?」

「うむ、貴様の楽しかった中学時代の思い出を話してみるがよい」

士郎とギルの慰めに、慎二はかすかに反応した。

「ち」

































「調理実習で作ったナポリタンがうまかった」


ぶわっ、と大幅の涙を流し始める士郎とギル。

「衛宮が毎日バラ色なのはわかったよ」

(バラ色か?)

士郎とギルは思いっきり疑問を抱くが口には出さなかった。

「で、そっちの金ぴかはどうなんだ?」

「……どうなんだ?」

「もちろんではないか」

フッフフ、と不敵に笑うギル。

「この十年間、我はよくディズニーランドやディズニーシーに行っておったのだ」

「誰と?」

































「一人で」


どわっ、とギルが涙を流し始める。

その後ろでは士郎と慎二もまた涙を流していた。

「ワカメ雑種」

「金ぴか」

慎二に声をかけながら歩み寄るギル。

「どうやら共通の敵が」

「決まったようだね」

くわっ、と同時に眼光鋭く振り返るギルと慎二。

それをみて、士郎の表情もまた鋭いものに変わる。

「雑種、貴様を」

「殺す」

両雄、並び立つ。

この瞬間、ギルと慎二は完璧な同盟で結ばれていた。

「ギル……裏切ったのか」

「フン、裏切るも何も貴様とは元々すでに敵ではないか」

ズビシィッ!!と無駄にカッコよく士郎を指差すギル。

「ワカメ雑種、我にやつをやらせよ。殺した後の肉は食べて構わん」

「ああ、おいしくいただくよ」

何故か自衛隊式の敬礼をする慎二。

「返り討ちにしてやる」

上着を脱ぎながら士郎が呟く。

「貴様を殺してセイバーをいただく」

同じく上着を脱ぎながらギルが言う。

「お前、まだセイバーを狙っていたのか……こいつ本気だな」

「貴様を殺せば我とセイバーの間に障害はなくなる」

防具を身に着けながら会話する二人。

どうでもいいが、例え士郎がいなくともギルとセイバーの間には障害はありまくりである。

というか、セイバー自体が最後の砦として立ちはだかっているのだが。

そして、最後の面をつけ終わり、竹刀を構えて対峙する。

「セイバーを守る、そして人類も」

「貴様を倒して地球人類の頂点となるのだ」

酒さえ入ればすでに頂点に立っていることに気づいていないギル。


「死ねい雑種!!!」


先制してギルが踏み込んだ。

煩悩によって強化された、セイバーにも劣らない剣速。

しかし。

































パン。


「あっ」

































士郎はあっさりとそれを捌き、ギルの手から竹刀を弾き飛ばした。

「ぬ、待て雑種、竹刀が……おい!!」






「■■■■■■ーーーーーー!!!!!!」






言葉にならない咆哮を上げて竹刀を振りかぶる士郎。

というか、背後にバーサーカーの幻影が降りてきていた。



バキャア!!!!



竹刀が真っ二つに折れるほどの痛烈な打ち下ろしがギルの面を捉えた。

脳震盪でも起こしたか、ギルの体が後ろに倒れ、道場の床を派手に揺らした。

「どうやら僕の出番のようだね……ん?」

前に出ようとした慎二だったが、士郎の様子に気づいて足を止めた。

床に倒れたギルを担ぎ起こし、その胴に腕を回す。

そして。

































ズドン!!!

































「えっ!!」


士郎がギルに見事なバックドロップを決めていた。

しかもそこから流れるようにキャメルクラッチへと移行し、ギルの首を攻める。

「え、衛宮!!」

そこまで来てようやく慎二が動き出した。

「衛宮ちょっと待て死ぬよ死ぬ!!」

「えっ!?」

ようやく士郎が自我を取り戻してギルを解放する。

「金ぴか、しっかりしろ!死ぬんじゃない!!」

ギルを抱え起こして呼びかける慎二。

「わ、ワカメ雑種……我はもうダメだ……」

「バカヤロー死ぬな大丈夫だ!!お前は死なない!!」

弱弱しく呟くギルに、慎二は涙ながらに叫ぶ。

「面をくらっただけなのにその後バックドロップとキャメルクラッチを食らったほどのダメージが残っておる」

「バカヤロー、剣道をやってたのにそんなことがありえるか!!」


ありえる。


どうも士郎には慎二に止められるまでの記憶がないようだ。

イレギュラーとはいえバーサーカーを降霊した影響であろうか。

「わ、わ、ワカメ雑種……」

「なんだ……」

「み、皆は遠野秋葉をナイチチと言うが……そんなことはない……グハッ!!」

血を吐きつつ最後の言葉を残そうとするギル。

それを抱え起こす慎二は、うんうんと頷きながら熱い涙を流していた。

「見よ……かの新書版を……しっかりと乳があるではないか……」

「ちょっと待てギル」

ふと士郎が口を開いた。

































「それ遠野秋葉じゃなくて黒桐鮮花だろ」

































ギルと慎二の顔が驚愕に彩られた。

―――そして。

(奴ら……似すぎだ……)

ガクッ、とギルの体から力が抜けた。






サーヴァント・アーチャー ギルガメッシュ、

自称「White breathのPVの真似が世界一うまい男」……



闘   死   。




あとがき



ギル様、闘死。
つっても、次回にはけろっとして復活するんですけどね。
ちょっとギャグの勘を取り戻そうかとふぁて張を書きました。
この話は続き物なのでもう一回書くんですけども。
後、秋葉と鮮花はそれほど似てるって訳じゃないんですがこれしか思いつかなかったので。
ヒスコハじゃ面白みに欠けますし(秋葉と鮮花もそれほど変わるわけではないですが)。



web拍手です。



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